【多様化に対応】オウンドメディアリクルーティングのメリット|企業事例も紹介
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「オウンドメディアリクルーティングって何がいいの?」
「うちの会社には必要ないんじゃない?」
「オウンドメディアで、どんなコンテンツを掲載すべきかわからない…」
近年注目が高まっているオウンドメディアリクルーティング®(オウンドメディアリクルーティングはIndeedの登録商標です)ですが、実際のところどのように取り組めば良いかわからない採用担当の方も多いと思います。
今回の記事を最後まで読んで、オウンドメディアリクルーティングのメリット・デメリットや企業の成功事例から学びを得て、失敗しないオウンドメディア運用がを目指しましょう。
ぜひ参考にしてください。
そもそもオウンドメディアとは?
オウンドメディアリクルーティングは、英語では「Owned Media Recruiting」と表記されます。
これを訳すと「自分たちのメディアによる採用活動」となり、自分たちのメディアとは
- ブログ
- ホームページ
- SNS
などを指します。
求職者に対して企業が直接メッセージや情報を発信し、共感してくれる人材の採用を目的として行うことが多いでしょう。
オウンドメディアリクルーティングと通常の採用活動の違い

従来の採用活動は、求人広告の掲載や人材紹介サービスを利用して応募を待つスタイルのものが主流でした。
しかし深刻化する人材不足などが原因で人材獲得競争が激しくなり、採用において企業から求職者へのアプローチが必須になってきました。
なぜオウンドメディアリクルーティングが注目されているのかは、以下で詳しく解説します。
オウンドメディアリクルーティングが注目されている理由3つ
理由1.優秀な人材の獲得が難しくなっている
現代社会においては少子高齢化が進み続けており、労働人口の減少も問題になっています。
既に人材不足に悩まされている企業が多く、今後はさらに人材獲得競争の激化が予想されます。
その状況で求人サイトへの広告掲載をして、ただ応募を待つだけで採用し続けられるでしょうか。
応募がきたとして、応募してくれた人材は果たして自社で活躍し得る人材でしょうか。
上記のような危機を感じ、企業からも求職者に直接アプローチしようとする動きが強まっています。
理由2.求職者の検索リテラシー向上
スマートフォンが普及したことにより、時間と場所を選ばずインターネットを利用できるようになりました。
総務省が行っている通信利用動向調査(2020年)によると、13歳~59歳までの層のインターネット利用率は9割を超えているという結果が出ています。※1
膨大な情報の中から検索することが当たり前になっていて、自分にとって不要な情報と有益な情報を無意識下で選別するようになったことで、検索リテラシーが高まったようです。
またSNS普及の影響もあり、従来は人づてにのみ得られていた「一次情報」の取得が誰でも簡単にできるようになっています。
企業選びにおいても、専門的なスキルを持った人材ほど専門用語でのキーワード検索などで情報を得ようとするため、企業側もそれに対応したキーワードを選定してサイト構築する必要があります。
※1 参考: https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd242120.html
理由3.働き方に対する価値観の多様化
2019年より施行された働き方改革関連法案により、人材の確保や健康被害をなくすことを目的に労働環境の適正化が求められています。
ダイバーシティとも呼ばれますが、従業員の働き方に対する価値観も多様化してきており、
- ワークライフバランスがとれるか
- ビジョンや価値観に共感できるか
- キャリア形成やスキルアップの環境は整っているか
など一人ひとり企業に求めているものが違うので、自社が求める人材に選ばれるような労働環境にしていく必要があります。
オウンドメディアリクルーティングのメリット5つ
メリット1.認知度を高められる
オウンドメディアでは、下記のような企業の情報を自由に発信できます。
- 企業理念や方針
- 求める人材像
- 社員紹介
- 業務風景
定期的な発信を続けることで、企業の認知度を高められます。
さらに、独自性の高いコンテンツの発信を心がけると「〇〇といえばこの企業」といったブランディングの確立も可能です。
メリット2.広告や人材紹介会社に依存しなくなる
今まで採用の効果は、広告を掲載する媒体や人材紹介会社に委ねられていました。
オウンドメディアを利用すれば企業が主体となって採用活動に取り組めるので、広告や他のメディアに依存しない採用活動ができます。
メリット3.ミスマッチを減らせる
ミスマッチは離職の大きな要因となります。
せっかく入社した人材が離職してしまうと、新たに求人募集するのには少なからずコストがかかるでしょう。
ミスマッチが起こる原因は、企業と求職者がお互いについてよく理解しないまま採用に至ってしまうことにあります。
オウンドメディアで発信を続けると、企業は自社について理解を深めてもらえますし、求職者も入社前に企業のことをよく知ってから応募を決められます。
メリット4.転職潜在層にアプローチできる
転職潜在層とは「転職活動には至っていないが転職の意欲はある人材」を指します。
転職潜在層は自ら求人を探していないことが多く、受け身の採用活動では獲得が難しいでしょう。
オウンドメディアを利用すれば
✔より良い条件の企業があれば転職したい
✔今の職場に不満を抱いている
上記のような考えの転職潜在層にもアプローチできます。
メリット5.オウンドメディアが自社の資産になる
求人サイトへ掲載する広告は、契約の終了とともに削除されてしまいます。
その一方、オウンドメディアは企業の資産として形を残すことができ、コンテンツを積み重ねていくことで価値を高め続けられます。
オウンドメディアリクルーティングのデメリット3つ
デメリット1.初期費用がかかる
自社のオウンドメディアを持っていない場合、サイト制作には多額の費用がかかります。
自社でサイト制作を行うとするならば費用は抑えられますが、かかる手間と時間を考えると外部委託した方が良いかもしれません。
SNSも場合によってはオプション料金がかかるため、オウンドメディアリクルーティングは短期的にみるとコストがかかるということは念頭に置いておきましょう。
デメリット2.効果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは一朝一夕で効果が得られるものではありません。
メディアがGoogleに評価され検索上位に上がっていくには最低でも半年はかかると言われています。
SNSの場合も定期的にユーザーに有益な発信を続けることで認知度を高め、フォロワーを獲得していくことが必要です。
中長期的に取り組むことを覚悟しておきましょう。
デメリット3.運用ノウハウが必要
オウンドメディアを効果的に運営するには、検索流入を増やすためのSEOに関する知識やマーケティング分野の知識も必要になります。
「自社での活躍が期待できる人材を採用する」という目的をもってメディアを運営するのですから、
・どうしたら多くの人に見てもらえるか
・ターゲットに刺さるコンテンツは何か
・応募につなげるためには何が必要か
上記を考えながら、求める人材からの応募を集めるための戦略を練る必要があります。
失敗しないオウンドメディアリクルーティングのポイント3つ

採用ターゲットを明確にする
- 自社で活躍している人材の特徴
- これからの事業に必要になるスキル
- 採用するポジションの職務内容
上記を踏まえて、どのような価値観や経験を持った人物をターゲットとするのかを決定します。
採用ターゲットを明確にしておくと発信内容がブレてしまうことを防げます。
採用にマストなコンテンツを知る
オウンドメディアには、下記のようなコンテンツがあると良いでしょう。
- ジョブディスクリプション
- 経営者の価値観
- 社員インタビュー
- 自社商品への想い・開発の裏話
- 社内制度や福利厚生
具体的な業務内容や応募条件はもちろん、既存社員がどのように働いているかインタビュー記事にすると求職者が働いている自分をイメージしやすく、応募につながりやすいです。
分析してPDCAを回す
コンテンツを掲載したあとには、閲覧数やアクセスの流入経路などを定期的に分析します。
よく見られているコンテンツと見られていないコンテンツを比較して何が違うのか考え、魅力の伝え方を模索しながら運営していきましょう。
どのように運営していけば良いかわからない場合は、代理店などに外部委託することも1つの手段です。
企業の成功事例をご紹介

株式会社サイボウズ
「サイボウズ式」というオウンドメディアは「サイボウズを知らない人に、サイボウズを知ってもらう」ことを目的として始動しました。
多様性や頑張ることへの疑問など、働き方・生き方について問いかけるような独創的な内容の記事を多く掲載している印象です。
読者の役に立つコンテンツの発信を続けたことで、認知度だけでなく売上の向上にもつながりました。
参考:サイボウズ式|新しい価値を生み出すチームのメディア
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
株式会社メルカリ
「メルカン」という、メルカリグループのメンバー全員が発信できる採用オウンドメディアを運営。
自社にマッチする優秀な人材の採用と、ミスマッチをなくすことを目的としています。
記事や動画でイベントやこれからの取り組みについてなど、メルカリの価値観や文化を発信することが多いようです。
これらのコンテンツが採用マッチングの精度向上、ブランディングの構築に貢献しているでしょう。
参考:メルカン|メルカリの「人」を伝える
https://mercan.mercari.com/
株式会社サイバーエージェント
採用オウンドメディア「CyberAgent Way」を運営しています。
代表の藤田氏と著名人の対談記事や社員インタビュー、採用、技術に関する情報を動画コンテンツも豊富に発信。
企業文化について深く知ることができます。
参考:サイバーエージェント公式オウンドメディア「CyberAgent Way」
https://www.cyberagent.co.jp/way/
ナイル株式会社
「ナイルのかだん」というオウンドメディアを運営。
面接や入社後のイメージをしやすいインタビュー記事から事業の詳細、社員同士のコミュニケーションについて発信しています。
自社の文化を発信することで求職者とのマッチング精度が上がったと実感しているようです。
参考 ナイルのかだん: https://r-blog.nyle.co.jp
まとめ

いかがでしたでしょうか。
- 加速する人材不足
- 向上する検索リテラシー
- 多様化する価値観
上記を背景に近年オウンドメディアリクルーティングが注目され、必要性が高まっています。
初期費用がかかることや効果が出るまでに時間を要することはデメリットと言えますが、読者に価値のあるコンテンツを発信し続けることで
- 認知度を高められる
- 採用のミスマッチを減らせる
- 転職潜在層にアプローチできる
といったメリットがあります。
専門的な知識がなくても外部に委託してオウンドメディアを立ち上げることが可能ですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
早乙女 瞳
多くの人事・採用系のメディアで執筆してきましたが、VUCAの時代に奔走する人事担当の方のお悩みは尽きないことでしょう。ご心労お察しします。効果的な採用手法やキャリア関連など、これからの人事に役立つ情報をマーケティングの視点も踏まえながら執筆しています。わかりやすく伝えられるように心がけていますので、私が書く記事で皆さまの負担が少しでも軽くなることを願っています。