Z世代とは|新卒採用のトレンド~価値観の変化を理解しよう~

2021年の新語・流行語大賞でトップ10入りした「Z世代」というワード。

X世代・Y世代に次ぐ若者世代を指す言葉ですが、Z世代は幼いころからインターネットに親しみがあったことで多くの情報に触れ、価値観も多様化しています。

今回の記事では、Z世代の特徴と働き方に対する価値観の変化、その変化に人事はどう対応していくべきかを解説します!

Z世代について理解できるかどうかが、今後の新卒採用の明暗を分けることになるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

目次
  • そもそもZ世代とは何か?
    • X世代・Y世代・Z世代の違いは何か?
    •  Z世代にとってインターネットは「空気」のようなもの
  • Z世代にみられる特徴を4タイプに分けて解説
  • Z世代の働き方に対する価値観
  • 時代とともに変わる!Z世代の就活方法
  • アフターコロナに向けたZ世代採用のポイント
  • Z世代に効果的な採用手法
  • まとめ

そもそもZ世代とは何か?

Z世代とは、1990年代半ば~2015年頃に生まれた人たちを指します。

正確に何年~何年生まれと定義されているわけではありませんが、日本では一般的に2022年現在で25歳以下がZ世代に該当すると言われています。

他にも「X世代」「Y世代」と呼ばれるものがありますので、下記で詳しく解説していきます。

X世代・Y世代・Z世代の違いは何か?

● X世代・・・1960年代半ば~1980年頃に生まれた世代

● Y世代・・・1980年頃~1995年に生まれた世代

● Z世代・・・1990年代半ば~2015年頃に生まれた世代

X世代は団塊ジュニア世代とも重なる世代です。

80年代からのインターネットの普及を目の当たりにしている世代で、新しいものへの柔軟な対応ができる人が多いと言われています。

Y世代はバブル崩壊後から長く続いた平成不況の中、就職氷河期においての厳しい就職活動を経験した人も多いでしょう。

思春期の頃には携帯電話が普及していたため「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。

Z世代の特徴については下記で詳しく解説します。

Z世代にとってインターネットは「空気」のようなもの

・ソーシャルネイティブ
・情報リテラシーが高い
・協調性が高い
・将来に対する不安が強い

Z世代の大きな特徴は、ソーシャルネイティブであるということです。

Z世代は幼少期には当たり前のようにインターネットが使える環境にいました。

そのため幼いころからソーシャルメディアを使いこなすようになる人が多く、ソーシャルネイティブと呼ばれるようになったのです。

ソーシャルネイティブであるZ世代は情報リテラシーが非常に高いです。

膨大な情報の中から自分が得たい情報を探し出し、取捨選択する能力に長けています。

企業選びにおいてもあらゆる検索をかけ、より自分に合った企業を探し出そうとします。

また、バブルを経験せずに失われた20年といわれる不況を生きてきたため、将来や経済状況への不安が強いことも特徴です。

Z世代にみられる特徴を4タイプに分けて解説

株式会社dotら3社が運営する「Z世代会議」で約3000名の若者を対象に行った調査により、Z世代の意識や価値観の傾向が4タイプに分けられました。

  • 人生ガチ勢
  • 様子見フォロワー
  • ソーシャルよいこ
  • 省エネペシミスト

人生ガチ勢

人生を「なんとかなる」と楽観的に捉えているタイプ。

◎ 前向きなリーダー気質で社交性が高い
◎ 伝統的な仕事観を重んじる保守的な面もある

様子見フォロワー

他の3タイプに比べて価値観にバラつきがあり、目立った特徴を見つけにくいのがこのタイプ。

女性よりも男性の比率が高いようです。

◎ 周りの顔色を伺って空気を読む
◎ 自己主張しない・苦手

ソーシャルよいこ

SNSを頻繁に利用していて最新の情報に敏感なタイプ。

◎ 新しいものが好きでトレンドに敏感
◎ 他人の目が気になる・承認欲求が強い

省エネペシミスト

人生ガチ勢とは対極的に、人付き合いが苦手で物事に悲観的なタイプ。

◎ 女性に多い傾向がある
◎ 努力が苦手・無駄はできるだけ省きたい


参考:
若年層の価値観・ライフスタイルに関する調査 「Z世代レポート2018」発表https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000032919.html

Z世代の働き方に対する価値観

  • 企業選びのポイントは「安定しているか」

現代社会では終身雇用制度の崩壊や少子高齢化が進んでいるため、Z世代は年金を受け取れるのかどうかや老後の貯蓄に対する不安を強く感じています。

そのため、企業を選ぶ際には安定して働けるかどうかに重きを置いています。

ただ、大手企業でなくてはならないというわけではなく、自分に合った企業やこれから伸びそうな企業があれば企業の大小は関係ないようです。

  • パラレルキャリアに関心がある

従来は一般的に就業規則で副業を禁止する企業が多くありました。

しかし2017年に閣議決定された「働き方改革実行計画」により、政府が副業や兼業を認めて柔軟な働き方を推奨しています。

新卒から定年退職まで勤め上げるという概念はあまりなく、個人のスキルを伸ばしてキャリア選択の幅を広げたいという考えが強いです。

  • ワークライフバランスを重視している

自分らしさを大切にしているため、仕事もプライベートも大切にしてどちらも充実させることで、ありのままでいられる環境を選ぼうとします。

時間や場所に縛られることに抵抗があるので、厳しいノルマや毎日長時間の残業を強いられるような環境には耐えられないでしょう。

リモートワークやフレックス制度を導入しているような、多様化する働き方に対応できる職場に興味を持つ人材が多いと考えられます。

  • 環境問題や社会問題への取り組みに意欲的

Z世代は幼いころからインターネットが身近にあり、世界とのつながりを感じられる環境でした。

その影響もあってか、人種差別や貧困・飢餓問題、ジェンダーの不平等といった人の生死や尊厳の問題に大きな関心があり、改善したいと考えています。

下記の表では、SDGsや社会的課題への取り組みを行う企業に対して

〇 好感が持てる

〇 積極的に製品・サービスを利用したいと思う

〇 その企業で働いてみたいと思う

という項目全てで、Y世代以上よりもZ世代の数が上回っています。

参照:NIKKEI STYLE Z世代の意識調査 SDGsに取り組む企業を高評価
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000032919.html

時代とともに変わる!Z世代の就活方法

複数のWebサービスを駆使する

従来はリクナビやマイナビといった就活サイトに登録して学生から企業にエントリーする形の就活が主流でした。

しかし現在、就活に活用できるWebサービスは通常の就活サイトの他にも

・スカウトサービス型サイト
・エージェント型サイト
・企業規模や分野別の特化型サイト

上記のような様々なサービスが台頭しています。

ソーシャルネイティブであるZ世代はこれらのサービスに複数登録し、自分に合ったものを取捨選択しながら上手に活用しているようです。

企業のSNSや口コミの調査は当たり前

Z世代は複数のサービスを駆使して就活すると上述しましたが、就活サイトだけでなく

・企業の口コミサイト
・LINEオープンチャット
・Twitter

などからも企業名や選考状況などを検索し、就活に関する情報を積極的に得ています。

今やSNSは就活にも役立つツールになっているのですね。

アフターコロナに向けたZ世代採用のポイント

オンラインの活用

新型コロナウイルスの影響もあり、オンラインの説明会や面接が増えてきました。

急激なオンラインへの移行に戸惑う企業も多いと思いますが、今後の選考は

  • 事前に質問事項を渡し、動画で回答してもらう「録画面接」
  • 「動画履歴書」や「自己PR動画」を提出する

上記のような方法で行うことが増えていくと予想されます。

また、働き方に対する価値観の変化からも、地方移住やリモートワークなど場所に縛られない働き方に関心を持つ人が増えています。

選考フローだけでなく採用後の働き方に対してもオンライン化の対応を進めていく必要があるでしょう。


参考:
まるで「就活版ネトフリ」? Z世代の価値観にマッチした「動画就活」が注目されるワケ
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2203/08/news008.html

面接官の面接力向上

既述したように、企業も学生に「選定されている」という意識を持つことが重要です。

自分らしさを大切にしているZ世代に選ばれる企業は「ありのままの自分を出せる」企業だと考えられます。

つまり面接官には学生の「素」の状態を引き出せるようなコミュニケーションが求められるのです。

また、オンラインでの面接が増えたことで「表情や人柄を画面越しに判断しなければいけない」ということも、面接力向上が今後の採用成功のポイントになる要因の一つです。

面接官として企業に恥じない立ち振る舞いをすることはもちろん、スキルとしては

  • 判断力
  • 質問力
  • 傾聴力
  • 観察力

を磨く必要があります。

Z世代に効果的な採用手法

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、求人広告や人材紹介会社からの応募・紹介を待つのではなく、企業から学生に直接アプローチする採用手法です。

ダイレクトリクルーティングの流れとしては下記のようになります。

1.ダイレクトリクルーティングサービスの企業と契約
2.データベースから人材を選定
3.「スカウトメール」を送信
4.返信・応募があれば選考に進む

優秀な人材を獲得するためには早期に動き出し、学生一人ひとりに合わせた内容のスカウトメールを送ることが重要です。

プロフィールを読み込み、「特別感」のあるスカウトメールを送れると返信率が上がるでしょう。

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングは、企業の採用サイトやSNSから

  • 企業理念
  • 社員紹介
  • 労働条件
  • 福利厚生

上記のような企業に関する情報の発信により、採用につなげる手法です。

企業のことを知ってもらった上で共感してくれた人材の採用ができるので、エンゲージメントの向上とミスマッチを防ぐ効果があります。

SNSやインターネットの利用が多いZ世代にこそ、よりアプローチしやすい手法でしょう。

まとめ

X世代・Y世代とは異なる特徴を持つZ世代。

時代の変化とともに、働き方に対する価値観も大きく変化しているようです。

自分と違う考え方や価値観を受け入れるのは難しいこともあるかもしれませんが、否定するばかりでは時代の流れに乗り遅れてしまいます。

まずは「こんな考え方もあるんだな」と歩み寄り、理解しようとする姿勢が大切です。

これからはZ世代の価値観やDX化に合わせて、採用手法もアップデートしていく必要がありそうです。

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この記事を書いた人

早乙女 瞳

多くの人事・採用系のメディアで執筆してきましたが、VUCAの時代に奔走する人事担当の方のお悩みは尽きないことでしょう。ご心労お察しします。効果的な採用手法やキャリア関連など、これからの人事に役立つ情報をマーケティングの視点も踏まえながら執筆しています。わかりやすく伝えられるように心がけていますので、私が書く記事で皆さまの負担が少しでも軽くなることを願っています。