変化し続ける採用のトレンドと、時代合った新卒・中途採用方法について


「近年の採用市場は厳しい」

「新しい採用のやり方を実践したい」

「厳しい状況でも優秀な人材を確保したい」

上記のように考えている人は多いのではないでしょうか?

近年は少子高齢化や人材流動化により、新卒・中途で人員を確保するのが難しくなりました。その影響を肌で感じている人もいるでしょう。

今回はこれからの採用トレンドと、厳しい状況でも活用できる新しい採用手法について解説します。

本記事を読めば新しい採用のあり方を見出すことが可能です。

変わりゆく新卒・中途採用のトレンドと手法について理解しよう


まずは現在の新卒・中途採用のトレンドを理解しましょう。これは4つのポイントで解説できます。

  • 近年の採用市場は基本的に企業有利だが、今後の見通しは暗い
  • 早期退職リスクは引き続き懸念される
  • オンラインへの移行が進んでいる
  • 新しくてユニークな採用手法が用いられている

まず新卒・中途市場が厳しいとはいえ、いまだ企業に有利であることを理解しましょう。一方で早期での退職の懸念には注意したいところ。

またオンライン化をはじめ新しい採用のあり方が広がっていることにも注目しましょう。

近年の採用市場は基本的に企業有利

2022年前後の採用市場は基本的に企業有利です。

新型コロナウイルスの影響でビジネスが縮小して採用枠が激減し、いわゆる買い手市場が形成されています。

厚生労働省の発表によれば、2022年5月段階での有効求人倍率は1.24倍。2020年3月(コロナ禍前)の倍率1.4倍前後だったことを考えると、まだ引き締まった市場が続いているといえます。

しかし少子高齢化によって候補者数が減っているのも事実です。総務省によれば2025年の労働力人口は7,085万人になるとのこと。これは2020年の7,341万人から255万人ほど減っている計算です。

つまり少しずつ企業が不利な市場に変動しつつあります。この点を見越して行動する必要があるでしょう。

早期退職リスクは懸念されている

企業にとって避けたい早期退職のリスクですが、近年において改善は見られません。

厚生労働省が発表する「新規学卒者数の離職状況」によれば、令和2年の「入社3年以内での大学新卒者の離職率」は31.2%。

過去のデータを比較してもほとんど変動がなく、早期退職リスクが低減されていないことが分かります。今後も従来と同水準の注意が必要と言えるでしょう。

ただし新しい人材採用手法を導入することでミスマッチが防がれ、早期退職率を下げられるかもしれません。

オンラインへの移行が進んでいる

オンラインへの移行が進んでいるのもポイントです。コロナ禍によりリモート面接や

オンライン説明会、ウェビナーが利用されるようになりました。

当初は感染拡大を防ぐ苦肉の策にしかすぎませんでしたが、低コストというメリットを感じられたため移行が進んでいます。ノウハウが蓄積されて開催しやすくなった点もメリットとして挙げられるでしょう。

求職者もある程度「オンラインで済ませられる」といったことを想定しています。その点のニーズに応えて選考参加率を高める努力が求められるでしょう。

新しくてユニークな採用手法が用いられている

縮小傾向にある採用市場では、新しくてユニークな採用手法が用いられるようになりました。

そうでなければ必要な人材を獲得できなくなっているからです。

過去も一芸採用などあらゆる手法が活用されていました。ただし近年の傾向として企業が能動的に動く採用活動がトレンドとなりつつあります。

これまでは就活サイトなどを活用して応募を待つ受動的な採用手法が主流でした。しかし近年では後述するダイレクト・リクルーティングなどの能動的でユニークな採用手法が活用されています。

前時代的な手法ではなく新しいリクルートを採用すれば、自社でも採用活動にかかる課題を解決できるかもしれません。

多様化する新しい人材採用手法4選

近年利用される具体的な人材採用手法として以下4つが挙げられます。

  • リファラル採用
  • ダイレクトリクルーティング
  • SNSリクルート
  • ミートアップ

これらは従来的な「求人を出して応募を待つ手法」とはまったく異なるものです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

リファラル採用

リファラル採用とは端的に言えば「既存社員から人材の紹介を受けること」です。社内で求める人材像を伝え、社員が会社に紹介する。

そして選考を実施して問題がなければ採用するという流れです。

既存社員によって社内の特徴や社風、強みが伝達され、また本人もスムーズに就労できるメリットがあります。ある程度本人たちの間で人材像がすり合わせられるので、離職率を低く抑えることが可能です。

ただ無料というわけにはいかず、既存社員にはインセンティブを用意するなどして動機付けする必要があります。また大量採用には向かないといった欠点もあることを頭に置いておきましょう。

しかしミスマッチを避けながら優秀な人材を獲得できるリファラル採用は、活用を検討する価値があります。

ダイレクト・リクルーティング

ダイレクト・リクルーティングとは、一言でいえば企業が戦略的に候補者へスカウティングするアクションを意味します。

例えば就活サイトやビジネスSNS、オフラインでのイベントにて声かけするなどして、選考への参加を促します。

ダイレクト・リクルーティングにおける最大のメリットは、自社がフィットすると判断した人材だけにアプローチできることです。

ただし難易度が高いので、専門業者へ外注するなどの戦略が幅広く取られます。

SNSリクルート

SNSリクルートとはTwitterやInstagram、LinkedInやWantedlyなどのSNSを起点とした採用活動を意味します。

タイムラインでの発信で自社について魅力的にアピールし、時にはDMでスカウトを仕掛けることも可能です。

特にビジネス用に位置付けられるLinkedInやWantedlyは、SNSリクルートでよく使われています。自社でもアカウントを用意しておくとよいでしょう。

ミートアップ

ミートアップとは候補者を社内に招待して交流する機会を持ち、採用へつなげる手法です。交流会や意見交換会などといって人を集め、企業が興味を持った相手をスカウトします。

実際に対面してコミュニケーションを取り、人材像やスキルを確認できるのがメリットです。また費用もさほどかからず、ローコストで人材を集めるチャネルとして活用の余地があるでしょう。

ただし強く「転職したい」と思っているとは限らないので、採用確度が低い点に注意が必要です。開催するイベントについてある程度転職へのモチベーションを持つ人が集まりやすいように工夫すれば、ミートアップはより有意義に活用できるでしょう。

まとめ


本記事では変化し続ける採用のトレンド、そして新しい新卒・中途採用の方法について解説しました。最後に重要なポイントを解説しておきましょう。

  • 近年の採用市場は基本的に企業有利
  • しかし少子高齢化などの影響で少しずつ企業が不利になっていく
  • 早期退職リスクは引き続き存在する
  • 新しい採用手法が幅広く活用されている
  • リファラル採用やダイレクト・リクルーティングなどがその代表
  • SNSリクルートやミートアップも活用されている
  • 基本的に受動的ではなく能動的な採用活動が幅広く展開されている

コロナ禍や少子高齢化、フリーランス的な働き方など企業の採用活動には逆風が吹きつつあると言っても過言ではありません。

しかしこれは時代の変化ともいうべき現象で、避けて通れない部分もあります。

この状況下でも新しい採用方法を活用して、人事的に有利に立てれば時代を先取りした人材活動を確立するのが理想だといえるでしょう。



【参照URL】

厚生労働省|報道発表資料『一般職業紹介状況(令和4年5月分)について』https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26279.html

厚生労働省|分野別の政策一覧『新規学卒者の離職状況』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html


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この記事を書いた人

小松

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