採用ブランディングとは?自社でも実現できるのか?
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●採用ブランディングとはどのような施策か
●自社でも実現可能か?
●どのようなメリットがあるのか
上記の疑問を感じている担当者は多いでしょう。
採用ブランディングは、人材確保が困難な状況であっても優秀な人物を確保するうえで役立つ施策です。
そこで本記事では以下を解説します。
本記事を読めば採用ブランディングの基本的な知識が理解でき、自社で実施すべきか判断できるはずです。
採用ブランディング=求職者向けのイメージアップ
採用ブランディングを分かりやすく言えば、求職者からのイメージをアップさせること。
印象が高まる情報発信や環境整備を用い、以下のように思わせるのが目的です。
「この企業に入りたい」
「⚪︎⚪︎業界ならあの会社だ」
「あの会社に入れれば就活は成功だ」
このように求職者にとって価値の高い企業だと認知させるのが、採用ブランディングです。
成功すればエントリー数が増加したり、マッチ度の高い人材を見つけやすくなったり、とにかく人事面で大きなメリットが得られます。
採用ブランディングを実施する目的
採用ブランディングの最大の目的は優秀な人材確保にあります。
もし自社にフィットしている秀でた人物を集めたいなら、他の企業と比較しても「この会社に入りたい」と思えるようなアピールが必要です。
また本人のみならず家族や大学関係者、友人などにも企業のブランドを理解してもらう必要性も。
これは意図して施策を実施していないと達成できる課題ではありません。各方面に対して自社のブランドを伝えて、人材確保につなげるのが採用ブランディングの目的です。
注目される背景
採用ブランディングが注目される背景として人材競争の激化が挙げられます。
近年では人材に対する需要が拡大する一方、対応する供給は不足しています。エン・ジャパンの調査によれば「2022年の段階で82%の企業が人材不足を実感している」とのこと。
そう考えれば、少なくとも現代では人材競争が激しくなると考えるのが自然です。つまり自社のアピールポイントを精一杯に発信して、他社と比較して「なぜ自社なのか」を明確にするため、採用ブランディングが注目されています。
参考リンク:
エン・ジャパン-2022年「企業の人材不足」実態調査―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート―
採用ブランディングで大切なこと
採用ブランディングで大切なのは、最初に企業が自己理解することです。これを間違えると正しく自社のブランド価値を伝えられなくなります。
具体的には採用市場で自社のポジションを確認し、強みや理念を明確にするところからスタートします。さらに欲しい人材のペルソナを確定し、そこに対して発信する内容を決定していくのです。
もちろんこういった施策を実施するのは簡単ではありません。したがってコンサルタントを呼び込み専門的な指導のもとでするケースも多々あります。
メリット
採用ブランディングを実施するメリットは数多くあります。中でも以下5点は重要です。
- 母集団形成に役立つ
- よりマッチ度の高い人物を集められる
- 競合他社との競合を避けられる
- 採用にかかる費用をおさえられる
- 企業の認知度が高まる
いずれも、激化する人材獲得競争では重要なメリットです。それぞれを詳しく解説しますので、参考にしてください。
母集団形成に役立つ
採用ブランディングは母集団形成に役立ちます。採用活動では優秀かつ多彩な人材を確保するため、どれだけの規模で母集団を持てるかが大切です。
そのうえで採用ブランディングを実施すれば企業の魅力が伝わり、より多くのエントリーを確保できます。そうすれば大きな母集団が形成された状態で選考フローを開始することが可能です。
よりマッチ度の高い人物を集められる
よりマッチ度の高い人物を集められるのもポイントです。母集団が大きくなり、単純にマッチした人材が選考フローに参加する可能性を高められます。
また採用ブランディングで情報を発信しておけば、志望者が自社への理解度が高い状態で選考へ参加します。よって、よりマッチ度の高い人物との接触が期待できます。
特にペルソナ設定や発信すべきコンテンツがよく吟味されていれば、このメリットは強く感じられるでしょう。
他社との競合を避け、優先順位を高くする
他社との競合を避けられるのも、採用ブランディングのメリットです。ブランドを高めるための情報発信によって他社にはない強みをアピールできます。
例えばもっとも先進的なIT技術について扱っていると伝えられたなら、そこに重きを置いている人物からは重要な検討対象となるでしょう。数多ある候補のひとつにとどまらず、他社との競合を避けられます。
もちろん、すべての企業が唯一無二のブランドを提供できるわけではありません。どうしても他社と重複する部分は出てきます。
しかし、仮に優先順位の序列で一番になれなくても、リストアップされるだけでも大きな意味があります。候補のひとつとして認識されるだけでもエントリーの可能性が高まるでしょう。
採用にかかる費用をおさえられる
採用にかかる費用をおさえられるのもメリットです。採用ブランディングがうまくいっているなら、さほどコストを消費しなくても母集団を形成できます。
母集団形成には、就活サイトや転職エージェント、あるいはWEB広告など、あらゆる場面で広告費が必要です。
ただし採用ブランディングがうまく回れば、こういった施策に頼らずとも一定のエントリーを確保できます。
採用活動では費用対効果を高めるのは重要です。採用ブランディングはその上で効果的な手法となるでしょう。
ただし「広告費を削っても問題ない」と判断できるほどのブランドが認知されるまでは、相当な時間がかかります。少なくとも「ブランディングを始めた途端に応募者が殺到する」といった話ではないので注意してください。
企業の認知度が高まる
企業の認知度が高まるのもポイントです。
採用ブランディングでは活発にコンテンツを提供します。それはもちろん転職を積極的に検討している層には閲覧されるでしょう。
同時に転職潜在層にも閲覧される可能性があり、また一般消費者の目に留まる機会もあるでしょう。つまり採用ブランディングを実施すれば、純粋に企業の認知度が高められるかもしれません。
そうすれば将来的な転職先や、購入する商品の候補として挙げられやすくなります。
デメリット
一方で採用ブランディングも良いことばかりではありません。以下のようなデメリットには注意が必要です。
- 結果が出るまで相当な時間がかかる
- 不祥事には弱い
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
結果が出るまで相当な時間がかかる
採用ブランディングで結果が出るまで相当な時間がかかります。ブランドが形成されるまで、継続的な施策の実施が必要です。
例えばWeb上で自社の魅力を発信するなら、そのコンテンツ量や露出機会がまとまるまで数ヶ月から数年単位で時間がかかるケースもあるでしょう。
特に歩留まり率や定着率などの指標が目に見えて変化するまでは相当な時間を要します。
採用ブランディングは短期の取り組みで効果を高める施策ではない点に注意しましょう。
不祥事に弱い
不祥事に弱いのもデメリットです。
採用ブランディングは結局、個人が感じるイメージに依存する部分があります。つまりイメージダウンにつながる不祥事があると、築かれたブランドが崩壊してしまいます。
例えばSNSで他者を中傷するような発信があり、それが炎上するケース。こうなると自社の倫理観が疑われ、採用ブランディングで得られた効果を打ち消してしまうことも。
採用ブランディンを実施する際は、とにかくコンプライアンスを意識して、社会通念上問題のない企業活動に集中するのが大切です。
まとめ:採用ブランディングで人材採用活動を後押し
今回は採用ブランディングの基本的知識をお話ししました。最後に重要な部分をおさらいしましょう。
- 採用ブランディング=求職者向けのイメージアップ戦略
- 自社にマッチした優秀な人材の獲得を目指す
- 採用ブランディングでは自社の状況を客観的に理解するのが大切
- メリットとして、母集団形成しやすくなったり、他社との競合が避けられたりする点がある
- 認知度の向上やコストダウンも魅力的
- 一方で結果が出るまでに相当な時間を要するデメリットも
- 不祥事があるとブランディングの効果が損なわれやすい
採用に関する課題は多くの企業が抱えているでしょう。インターネットの発展で情報検索の在り方が変わったり、あるいは求職者ニーズが急変したり、企業にとっては難しい局面が続きます。
そんな中で採用ブランディングを実施して特別なブランド力を持てるようになれば、人材採用活動はかなり有利化されるでしょう。
【参照URL】
withHR『【事例あり】採用ブランディングとは? 目的や実施方法のポイントを解説』
https://media.bizreach.biz/
サポネット『採用ブランディングとは?注目背景やメリットを解説』https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20220325120044.html
HRドクター|記事『採用ブランディングを成功させるには|方法やメリット、注意点を解説』
https://www.hr-doctor.com/news/recruit
人事ZINE|記事一覧『【初めての採用ブランディング】目的・メリットから具体的な実施方法まで紹介』
https://offerbox.jp/company/jinji-zine/recruit-branding/
HirinGeek『採用ブランディングとは?メリットや5つの成功事例を紹介』
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/branding/
Airワーク採用管理|採用マガジン『採用ブランディングは採用活動に必須?メリットと始めるための手順を解説』
https://airregi.jp/work/recruitment/magazine/393#
エルプランニング『SNS炎上を防ぐ採用活動や採用担当者のふるまいとは』https://www.elplanning.co.jp/column/category03/6430
エンジャパン『2022年「企業の人材不足」実態調査―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート―』
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/29824.html
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