RPAとは?基本的な定義や実現されるとできるようになること
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「RPAとは何を意味するのだろうか?」
「実現されると、何ができるようになるのか?」
「どのようなツールを使うのか?」
上記のような疑問を持っている人は多いでしょう。近年はRPAが注目され、多くの企業で導入されています。
自社でもいずれRPAを導入する時期がいずれやってくるでしょう。そこで本記事では以下を解説します。
- RPAとはそもそも何を意味するのか
- RPAによって実現できること
- ツールの種類
本記事を読めばRPAの基礎を理解できます。ぜひご参考にしてください。
RPAとはそもそも何を意味するのか
まずはRPAの定義を正しく理解しましょう。合わせて注目される理由も解説します。
RPA=ロボットに作業をさせること
RPAはRobotic Process Automationを意味します。簡潔に言えば、ホワイトカラーの業務をロボットによって自動化する技術のことです。
これにより人件費の削減や生産性の向上を目指します。最終的には自社の利益に深く関わるため、重要な技術として評価されています。
基本的な仕組みは「チューニング」による制御
RPAは基本的にチューニングを用いて制御するものです。チューニングとはRPAシステムやツールの挙動設定を意味します。
このように表現すると、高度な作業のように聞こえますね。しかしツール導入で基本的にプログラミングのような作業はなく直感的に操作可能です。
RPAが適切にアクションできるかの大部分がチューニングに依存します。人間がこれをどうこなすかが今後はポイントとなるでしょう。
RPAの自動化クラス
RPAは、自動化された業務範囲に基づき3つのクラスに分けられます。
- RPA:データ処理や単調な入力が自動化される
- EPA(Enhanced Process Automation):情報解析をはじめとする非定型業務が自動化される
- CA(Cognitive Automation):高度な意思決定までもが自動で行われる
①RPAはあくまでも入り口にしかすぎません。最終的な目標としてCAが掲げられます。ただし現時点で、CAにまで到達する必要がない業種も少なくありません。
例えば、精神疾患がある患者のカウンセリング業務をCAで代行するのは無理があるでしょう。
また実現したくても予算や技術の問題で困難なケースも多数あります。現状ではRPA、あるいはEPAまでを想定するのが現実的です。
RPAならすでにチャットボットやナビダイヤルなどの形で実用化されています。
②EPAも各種情報共有ツールやマーケティングシステムによって高度に実施されるようになりました。
③CAに関してはまだ発展途上な部分がありますが、現在でも簡単な意思決定であれば可能です。
しかし会社の方向性を左右するような重要な局面を任せられるほどのクオリティではありません。
注目される理由
RPAが注目されるのは、以下の効果があるからです。
●人手不足の解消
●働き方改革の推進
●RPAの利便性向上
RPAを導入すれば、従来まで人力でこなしていた作業が自動化されます。そうすることで労働効率が高まり、人手不足の解消や働き方改革の推進が実現できます。
またツール開発が進んで、利便性が向上したのも理由です。つまり、ようやく実用的な水準でRPAが実施できるように注目され始めています。
RPAによって実現できること
RPAによって実現できることは多岐に渡ります。特に以下は企業にとって重要です。
- 膨大なデータを処理できる
- WEBサイトでの情報収集の自動化
- ヒューマンエラーの発見
- 別なアプリケーションとの連携
- 問い合わせに対する対応
それぞれについて詳しくお話ししますので、ご参考にしてください。
膨大なデータを処理する
RPAがもっとも得意なのは、膨大なデータを処理すること。いわゆる定型業務を任せるには最適な技術です。
人間が膨大なデータを処理する際にはミスが起こる可能性があり、費用も時間もかかります。
しかしRPAでは、チューニングに誤りさえなければ、膨大なデータを一切の手違いなく処理することも可能です。
これにより、さらに多くのデータを取得し、あらゆる業務で活用できるようになります。
WEBサイトでの情報収集の自動化
WEBサイトでの情報収集もRPAによって自動化されます。企業では、時には構造化されていない膨大なデータを解析しなければいけない場面もあるでしょう。
しかし一定水準のRPAが実現できていれば、大量のWEBサイトの不揃いな情報さえも自動収集できます。コストとリソースがかかる業務を自動化できるのは、効果を肌で感じやすい部分でもあります。
ヒューマンエラーの発見
RPAを実施することでヒューマンエラーを簡単に発見できるようになります。
RPAツールのほとんどは、打ち間違いや設定ミスを検出可能。そしてユーザーに対してアラートメッセージを出すため、ヒューマンエラーを発見できるようになるかもしれません。
小さなミスが、いずれ大きなトラブルを起こすこともあります。そういったリスクを避けるうえでも、RPAは重要だといえるでしょう。
別なアプリケーションと連携する
RPAツールは多くのアプリケーションと連携でき、それを前提としています。
社内にある既存のナレッジ共有ツールや表計算ソフト、あるいはCMSなどと繋ぐことが可能です。
ここでのチューニングが徹底できれば、あるツールで入力したとき別なアプリケーションへ反映させるなど、より発展的なRPAを実施できます。
問い合わせ対応
問い合わせ対応もRPAによって自動化しやすくなるでしょう。
自動応答やチャットボットなどを利用すれば顧客対応の一部分を代行させられます。
これが重要視されるのは、問い合わせ対応にかかるリソースの肥大化を避けられること。
例えばチャットボットならテキストベースで問題解決できます。それでも解決できなかった場合にのみヘルプデスクで有人対応するなどして、バランスを取ることが可能です。
RPAツールの種類
RPAツールの種類は、大きく分けて3つ。
- サーバー型
- クラウド型
- デスクトップ型
種類によってメリットとデメリットがあり、それがそのままRPAの在り方に直結しています。それぞれについて詳しくお話ししますので、ご参考にしてください。
サーバ型
サーバ型とは、名前の通りサーバ上にRPAを作るシステムです。ネットワークを繋いで、部署や担当業務の垣根を超えた一元的な管理が実施できます。
またPC1台に対して100体以上のロボットを割り当てるなどの大規模な展開も可能です。
サーバーが増強されれば、さらに多くのロボットが機能します。膨大なデータを処理する際に向いているといえるでしょう。
ただしチューニングを間違えた場合の影響が大きい、導入費用がかかりやすいなどのデメリットにも注意しましょう。
クラウド型
提供元のサーバを利用するクラウド型のRPAツールもあります。
自社でサーバ設置及び運用する必要がないので、導入における負担が少ないのがメリットです。
またWEB上での作業の自動化に長けており、例えばデータの自動的な反映などをスピーディーに実施できます。
初期費用も選べばおさえることが可能です。
ただしファイル操作やデータ閲覧に若干の制限があるなどのデメリットもあります。さらにはセキュリティが提供元に依存するため、その点を忌避する企業も少なくありません。
デスクトップ型
デスクトップ型は自社のPCに常駐させるタイプのツールです。一般的なソフトウェアと大差ないので、特別な知識やスキルがない場合でも使いやすいのがポイントとなります。
しかし導入台数が多いと費用がかかりやすいデメリットもあります。また個人のPC内で作業が完結しやすいため、属人化しやすい点にも注意です。
まとめ
本記事ではRPAについて解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- RPA=ロボットに作業を任せること
- 人間がやることはチューニング
- RPAの上位はEPA、そのまた上位はCA
- 実現されれば膨大なデータを処理できる
- Webサイトの情報収集が自動化される
- ヒューマンエラーの発見などにも役立つ
- RPAツールにはサーバー・クラウド・デスクトップの3種類がある
RPAはオートメーション化の一端です。実現できれば企業活動は効率化されるでしょう。
またEPAやCAまでが実施できたなら、ビジネスの重要な意思決定すら一任できる、新しい時代がやってくるかもしれません。
【参照URL】
パーソルのRPA|コラム『3分でわかるRPAとは何か?注目される背景~今後の進化まで』
https://www.persol-pt.co.jp/persolrpa/rpalounge/column1/
IT Leaders『業務に合わせてRPAロボットをチューニング、月額制で提供―NECソリューションイノベータ』
https://it.impress.co.jp/articles/-/19772
Knock『RPAのクラスって何?各クラスの特徴と導入事例も合わせて解説』
https://www.noc-net.co.jp/blog/2021/03/column_418/
日経XTECH|ゼロからわかるRPA『RPAが注目される理由』
https://xtech.nikkei.com/atcl/
アスピック|特集記事『RPAの8つの導入メリットとは?デメリットや対策も紹介』
https://www.aspicjapan.org
ITトレンド|RPAツールの関連記事一覧『RPA種類別比較!サーバ型・デスクトップ型・クラウド型の違いとは』
https://it-trend.jp/rpa_tool/article/rpa_type
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