新卒採用のトレンドチェック【人材紹介のすすめ】

近年、新卒採用の市場でも人材紹介サービスの利用が増えています。

「まだ仕事をしたことがない学生を人材紹介を通して採用することで問題は起きないだろうか?」と不安に思っている企業に向けて、サービスの特徴やメリット・デメリットについて紹介していきます。

難易度が高くなっている新卒採用活動において、新しい選択肢として取り入れてみてください。

目次
  • 新卒の人材紹介とは
  • 新卒の人材紹介のメリット
  • 新卒の人材紹介のデメリット
  • 新卒の人材紹介の相場
  • 成功するためのポイント3選
  • まとめ

新卒の人材紹介とは


これまで人材紹介サービスは中途採用市場がメインでしたが、経験もスキルもない新卒の人材紹介を利用する企業はここ数年、急激に増加しています。

人材紹介は求職者の経験やスキルをもとに、企業とのマッチングをはかるサービスです。

次にサービスが普及している背景や人材紹介サービスの実際の流れについて紹介します。

①新卒の人材紹介市場

新卒の採用支援サービスについて調査した矢野研究所の調査によると、2020年にコロナ影響で前年度比9.2%減の1,168億3,000万円まで落ち込んでいるものの、これから右肩上がりに上昇する見込みです。

また新卒採用では、個別に直接アプローチをかけるダイレクトリクルーティングのニーズが高まっていることも示しています。

学生の数が減少していく日本では、売り手市場が進んでいくため学生にいかに先手を打ってアタックしていくかが重要です。

今後ますます新卒への人材紹介サービス利用者は増加していくことが想像できます。

人気のある学生を採用するためには、人材紹介サービスの利用は欠かせなくなっていくでしょう。


引用:新卒採用支援サービス市場に関する調査を実施(2022年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2946

②人材紹介の流れ

人材紹介サービスを利用するときの流れを説明します。

  1. 企業はターゲット・ペルソナを提示する
  2. エージェントは登録されている学生から希望に合った人物をピックアップして企業に紹介する
  3. 選考を進めるなかでも面接対策やフィードバックを行い支援する
  4. 内定が出た時点で契約成立となり、報酬が発生する

登録した後は上記のような流れなので、申し込みだけなら料金はかかりません。

企業を担当するリクルートアドバイザーと、学生を担当するキャリアアドバイザーがそれぞれ企業と学生をマッチングするサポートを行います。

内定が出たら1人分の報酬が発生する成果報酬型のサービスです。

新卒の人材紹介のメリット


内定が出るまで費用がかからないサービスなので、出会いの機会を増やすためにも大手人材紹介サービスには登録することをおすすめします。

人材紹介サービスを利用する時の具体的なメリットは大きく分けて3つです。

①選考の工数削減

1つ目は選考における工数を削減できる点です。

エージェントは企業の意向を組んで学生を紹介するので、ある程度のスクリーニングがかかった状態で一次選考を行うことができます。

企業のターゲット設定にずれがなければ手間をかけずに一次選考を行うことが可能です。

また最終面接に近づくにつれ、エージェントが学生に対して面接対策も行ってくれるので良い人材の取り込みが比較的スムーズになります。

学生が緊張により本来の力を発揮できず、不合格になってしまうケースは珍しくありません。

エージェントの面接対策や面接ごとのフィードバックは、双方にとって効率の良い採用活動をサポートしてくれます。

②コスト削減

2つ目はコストの削減です。

先述の通り人材紹介サービスは登録しておくだけなら費用は発生しません。

まずは登録して、商談時に案件の登録依頼を済ませておけば学生との出会いが増えます。

職種に関してもいくつでも案件掲載が出来るため、社内で必要な職種を整理してすべて掲載依頼を出しておきましょう。

露出を増やすほど学生からの応募率も高まるので、良い学生の内定につなげられる可能性がアップします。

③フィードバックの有無

3つ目はフィードバックがあるという点です。

面接で学生に対して企業がどんな所見を持っているか伝えるなどサポートしてくれます。

また企業側にも学生の手応えについてフィードバックしてくれるので、比較的選考も進めやすくなるでしょう。

もちろん、採用されやすいなど面接のハードルが上下するようなことはありません。

しかし学生が持っている力をきちんと発揮できずに終わらないよう、エージェントが間に入って支援してくれるので本来の力を見た上で判断することが可能です。

新卒の人材紹介のデメリット

新卒の人材紹介サービスを使う上でデメリットについても理解しておきましょう。

①採用単価の高騰

1つ目のデメリットは、1人あたりの採用単価が高くなるという点です。

タウンワークやバイトルのように掲載型課金の広告や、インディードのようにクリック課金の広告に掲載する場合は何人採用しても金額は一定です。

しかし紹介サービスの場合、1人内定が決まったら〇〇円という成功報酬型であることが多いです。

それまでの打ち合わせ・求人掲載・支援に費用がかからない分、採用が決まればコストがかかるため、採用単価が高くなる傾向にあります。

②煩雑な日程調整

人材紹介サービスに登録すればするほど、やりとりの工数は増えてしまいます。

何よりも日程調整作業に多くの手間がかかるケースが多いです。

一見カレンダーを登録するだけの簡単なやり取りのように見えるかもしれませんが、エージェントを挟むため、入れ違いや急なキャンセル、問い合わせ対応など煩雑な業務が増えてしまいます。

学生から人気の高い企業の人事担当であればかなりの時間を割くことになる上、システム移行できる部分とできない部分もあります。

一見表面化しにくい問題なので、あらかじめ対策を考えておくことが重要です。

③母集団が限定的になる

人材サービスを利用している学生しかアプローチができないため、母集団はどうしても限定的になります。

人材紹介サービスの内容によっても特徴が異なります。

文系・理系など学部に偏りがあることや、業種を特化させているサービスなど登録会員にはばらつきがあります。

新卒の人材紹介の相場

新卒の人材紹介サービスは学生のプロフィールで金額が異なるケースが多いです。

1人内定で50万~80万くらいが平均的な数値になります。

人数が多くなれば1人あたりの単価が低くなるサービスも多いです。

またエージェントサービスには手数料が別途発生します。新卒採用の場合、30%前後の手数料も必要なことは念頭に入れておきましょう。

成功するためのポイント3選


人材紹介サービスを利用して良い人材を獲得するためには3つのポイントをおさえることが重要です。

効率良く採用活動を進めていくためにもチェックしてみてください。

①他サービスとの組み合わせ

1つ目は他のサービスと組み合わせて利用することです。

紹介サービスは紹介があるまで企業側が待つことになるため、すぐに応募が欲しいという時には向いていません。

スピード感をカバーするために求人広告も併用して利用したり、送客サービスという応募を喚起させるようなシステムを一緒に使ったりするのがおすすめです。

母集団形成が限定的になることについても説明しましたが、サービスの内容によってはニッチな人材しかアプローチできません。

他のサービスを併用させることで幅広い応募を獲得しやすくなったり、採用成功の可能性を上げたりすることができます。

②自社のアピールポイントを整理

2つ目は紹介サービスを使う前に、自社の魅力について整理しておくことです。

面接で良い人材に出会うためには自社の魅力をアピールする必要があります。

・同業他社との違いは? 
・給与相場と比較して高いか?低いか?
・福利厚生は充実しているか
・人間関係は良好か?
・会社として今後の展開はどうか?

など多角的に自社を眺めて良い部分を洗い出しましょう。

この自社を見つめるという行為は、意外とできていない会社が多いです。

立場が違えば見え方も変わるので、様々な職種・役職の社員から声を集めればこれまで気がつかなかった新しい発見にもつながります。

③ターゲット・ペルソナ設定

3つ目は「どのような人材を求めているか?」というターゲット設定です。

ターゲットは、年齢・住所・性別などの表面的な情報で、ペルソナは思考や悩みまで細かく仮定する人物像をさします。

ペルソナの設定は非常に重要で、設定した課題や悩みを解消できるとアピールすることで効果的な集客を行えます。

今回の場合、新卒を採用するため、

●大学、学部

●部活動やサークル

●一人暮らしか実家暮らしか

●学んでいた内容

●アルバイト経験

こうしたターゲット・ペルソナ設定を行い、自社の魅力にどう響くかを考えてみましょう。

2022年の現在では学生が強く興味・関心を持っていることとしてSDGsや自己成長などがトレンドです。

ただ3年もたてばトレンドは変わりますので、常に最新の情報にアップデートしていくようにしましょう。

まとめ


新卒採用に人材紹介を取り入れる企業が増えていく中で、学生の減少は止まりません。

競合に遅れを取らないためにも、できることから始めていきましょう。

今回紹介した内容はすぐにでも取り組めるものばかりですので、さっそく人材紹介サービスを使ってみてはいかがでしょうか。


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この記事を書いた人

白木 めい

求人広告の営業を7年以上務めてきた経験を活かして、採用活動全般の記事が得意です。求職者目線、企業目線どちらも大切にしながら書いております。仕事依頼もお気軽にご相談ください(Chatwork ID:1gi31upx8lx3v)