【最新情報】注目されている「HRテック」とは?気になる成功事例5選も紹介!

近年、耳にすることが増えた「HRテック」をご存じでしょうか?

HRテックとは、HR(Human Resources/人材活用・人事)とテクノロジーを掛け合わせて作られた言葉です。

今回はHRテックを導入するメリットやデメリットだけではなく、成功事例についても紹介していきます。

「人事業務が煩雑化していて困っている」

「DX化の必要性はわかっていても後回しにしている」

導入のきっかけが見つからない、現状に悩んでいる…そんな人事担当者の皆様にぜひ参考にしていただきたい内容です。

目次
  • HRテックの概要
  • HRテックの種類3選
  • HRテック導入のメリット
  • HRテック導入の注意点
  • HRテック導入を成功させるコツ
  • HRテック導入企業の事例
  • まとめ

HRテックの概要

まずはじめにHRテックの特徴や課題について解説していきます。

自社で取り入れる時も概要や課題について知っておくことで成功率が上がりますので、正確に把握していきましょう。

①HRテックとは何か?

HRテックは人事領域にテクノロジーを取り入れることにより、課題を解決に導き、より効率の良い業務を目指す取り組みです。

人事領域は他の部署に比べて生産性につながることが少なく、アナログな方法を続けている企業が多い傾向にあります。

しかし、最近のDX化によってツールの導入が進められてきました。

②HRテックの課題

HRテックを導入していく上で課題は2つあります。

1つ目は知識のある人材不足、もう1つは業務幅の整理です。

企業内にITの知識を持った人材が不足しているため人事領域のみならず、デジタル化を進めにくくなっています。

またツールやシステムを導入後に見込まれる利益や効果が不透明なケースが多い傾向にあります。

そのため推進自体が滞ったり、後回しにされたりすることが増えているようです。

業務幅も属人的な管理が多く、誰がどこまで作業を行っているのか社内で把握していないという事態が起こります。

人事部は既存の社員管理、入社予定の社員、採用管理、労務管理など会社によって任せられている業務の幅が異なります。

まずは業務内容とシステム化可能な範囲を明確にする必要があるのです。

HRテックの種類3選

HRテックの種類について3つ紹介します。具体的なサービスの種類や特徴を掴んでいきましょう。

①労務・勤怠管理システム

まずは労務・勤怠管理を行うシステムです。

人事部が特に忙しくなるのは、入社手続きが増える新年度や年末調整が発生する年末です。

紙ベースの書類管理だと業務工程が増えてしまうため、残業や休日出勤につながりやすくなってしまいます。

HRテックを導入すれば、事務を圧迫していた作業時間を大幅に短縮させることが可能になります。

入力は社員自ら行ってもらうため、人事側の作業は入力の有無を確認したり、エラーが出たりしていないかを確認する程度です。

人的ミスを減らし、リモートワーク社員の勤怠管理や有給申請など細かい業務もシステム上で一気に完了させることできます。

②採用管理システム(ATS)

採用管理システム(ATS)の導入もHRテックの一部です。

採用活動では求人掲載・応募対応・面接進捗管理など、複数の工程が同時並行して動いていくため業務が煩雑になりがちです。

また、複数の求人媒体に掲載すると応募受付画面を複数保有することになります。

結果としてリアルタイムの対応が難しくなり、面接率や辞退率を上げる結果となってしまいます。

採用管理システムは、そうした煩雑な作業や複数の受付窓口を1つにしてくれるシステムです。

一括管理が可能なだけではなく、

・求人原稿の作成
・面接者の社内共有
・自動返信メール機能、メールテンプレート機能
・過去の求人原稿の数値分析

上記のような機能があり、作業効率化を上げながら採用成功のサポートをしてくれます。

③人材管理・タレントマネジメントシステム

人材管理やタレントマネジメントシステムとは、既存社員を管理するHRテックのことです。

優れた組織づくりには能力バランスの整った人材の配置が必要になります。

・業績
・スキル・資格
・思考タイプ(論理的・感情型など)
・入社動機

こうした個人情報を一括管理し、能力を数値化すれば目標の選定や人事異動の際に役立てることが可能です。

上司の定性的な評価をメインとしていた組織も数値評価を加えることで、総体的な見方ができるようになります。

HRテック導入のメリット

HRテックを導入するにあたってメリットは3つあります。

①採用活動を効率化できる

まずは採用管理システムの導入に伴って、採用活動を効率化できます。

工数の多い採用活動において、連絡漏れや社内伝達ミスが発生すると求職者の信用を大きく失ってしまいます。

高齢化に伴い年々難しくなる採用市場において、スピード感をもって対応することは非常に重要です。

採用管理システムの導入により、対応スピードの向上だけではなく社内共有がスムーズになったり、求職者管理がしやすくなったりします。

結果として優秀な人材との出会いにつながる可能性も上がるため、会社の事業拡大など様々なメリットを享受できるようになるのです。

②社員や組織の管理が可能になる

タレントマネジメントを導入すれば、既存社員の管理や組織の管理が可能です。

人材管理を行うことは、適切な評価をしやすくなるため退職抑制やモチベーション向上につながる可能性があります。

また組織がきちんと機能しているか、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境になっているかもHRテックの導入で把握することができるようになります。

例えば、新規事業を立ち上げる際に「新規営業を強化したいので勢いのある営業を集める」という方針が決まったとしましょう。

HRテックを導入していれば、システム上でスキルの高い社員を全社からピックアップすることができます。

また個々の足りない能力を測定して補う目標を立てたり、マネジメントスキルが備わっているか上司の評価を行ったりすることも可能です。

こうした管理を行うことで組織課題の抽出などもしやすくなります。

③労務管理が簡略化できる

労務や勤怠管理の簡略化も大きなメリットです。

リモートワークの際の勤怠管理もスムーズになり、結婚や引っ越しなどの手続きがシンプルになります。

人的ミスを減らし、余分な残業もカットすることが可能です。

またシステム上で労務作業を一括管理するようになれば、人事が作業に回していた時間をもっとクリエイティブな業務に割くことができます。

事務的な作業よりも人材獲得や組織管理に時間をかけるほうが、生産性が上がり、企業成長に携わることができるようになります。

HRテック導入の注意点

HRテック導入には注意していただきたい点もあります。導入前に把握しておくことで、対策を打てるようにしておきましょう。

①コストがかかる

HRテック導入には当然、コストが発生します。

初期費用、ランニングコストがメインの費用になりますが、どのくらいまで予算をとれるのかあらかじめ把握しておきましょう。

システムによってはトライアルで利用できるものや、初期費用が無料のサービスもあります。

継続して使用する際に費用がかかるとしても人事1人分の働きを見込めるなら、人的なミスが減るため良いと思う企業様もいらっしゃるのでは…と個人的に思います。

ただ、根本的な課題を解決できないのに安価なシステムに飛びつくのは危険です。

きちんと機能を見極めて、費用対効果の良いサービスを選びましょう。

②周囲の協力が必要

ITツールやシステムを導入する時に、最も重要なのは周りからの協力です。

既存のシステムを移行するのには意外と労力がかかります。

忙しいからシステムを導入するのに、システムについて学んだり覚えたりする時間が取れないといったケースもあります。

そんな時に理解や協力を得られないと、いつまでも移行が完了せずに浸透していかなくなるでしょう。

③浸透までに時間がかかる

HRテックは人工知能(AI)を活用したシステムも多く、AIの恩恵を受けるまではしばらく時間がかかるケースが多いです。

AIとは「学習知能」として、これまでの行動パターンや経験をもとに情報を提供する機能です。

つまりAIが自社のルールを理解して、正しい推測を行うまでには過去のデータを読み込んだうえで現在の業務についても読み込ませていく必要があります。

正しい情報収集や分析ができるようになれば「将来的に〇〇になるだろう」というデータを基にした予測をAIが立てるようになります。

AIの能力をフルに発揮させるためには期間が必要なことを、事前に把握しておきましょう。

HRテック導入を成功させるコツ

HRテックの導入を成功させるには3つのコツがあります。

①目的や目標を決める

まずは目的や目標を定めましょう。

HRテックの導入を目的にするのではなく、

・ATSの導入で採用人数を20%UPさせる
・労務管理システムの導入で残業を70%カット
・タレントマネジメントを活用して新規事業で〇万円の売り上げられるような組織作り

などシステムの導入をした結果、どのような将来が描けるかを具体的な数値を入れて設定するのをおすすめします。

人事領域の仕事は数値化するのが難しいからこそ、曖昧にしてしまうと導入後の効果がはかりにくくなってしまうので気をつけましょう。

②キーマンを決める

HRテックを推進する上で各部署に担当キーマンを作りましょう。

当事者意識をもって社員に関与してもらうためには、人事部からの発信だけではなく現場でいつも交流があるメンバーからの発信が効果的です。

目標の選定も人事部だけで決めるのではなく、現場の声を活かしながら行うことで団結力も生まれます。

キーマンには策定した目標を現場に発信してもらい、浸透しているかの確認や進捗をチェックなどのアシストしてもらいましょう。

③定期的に振り返りを行う

先述で決めたキーマンと人事部が主体となってHRテックについて定期的な振り返りの機会を持つことをおすすめします。

その際に、どのくらい現場で利用されているのかを確認し、浸透しない理由や課題を探るようにしましょう。

1ヶ月で40%、2か月で60%など期間と利用率の目標を定めるのも効果的です。

目標にそってどこに課題があるのか判明すればサポートしやすくなります。

使い方の説明会を開いたり、使いこなせている社員から積極的に教えてもらえる環境を作ったりして、社内で100%浸透している状態を目指しましょう。

HRテック導入企業の事例

最後にHRテックを導入している企業の事例を5社紹介します。

どのような課題を抱えていて、どう解消したのかという変化についても解説しているので、自社の状況に置き換えながら参考にしてみてください。

1社目:株式会社ZOZO

株式会社ZOZOは、アパレルの通販ショップ「ZOZO TOWN」を通して多くのユーザーに商品を販売・発送しています。

千葉県習志野市にあるZOZO BASEには数千人のスタッフが在籍しており、契約更新作業の煩雑さに頭を悩ませていました。

これまでは紙ベースの書類回収を行っていたのですが、つくば市への拡充をきっかけにシステムの導入をすることが決まりました。

結果としてオンライン上で雇用契約書が回収でき、アルバイトの雇用契約締結が非常にシンプルになっています。

また導入後の変化として、

・雇用契約書の締結作業に1ヶ月かかっていたものが1週間に短縮される

・約20名のスタッフを巻き込んでいた作業が労務2名で対応可能に

・アルバイトスタッフの個人情報変更についても2か月に短縮

以上の効果が見込めています。

多くのアルバイトや社員を抱える企業こそ、ツールの導入は大きな変化をもたらす事例です。

2社目:スマートニュース株式会社

スマートフォンやタブレットユーザー向けのニュースアプリ「SmartNews」を運営しているスマートニュース株式会社。社内で多様化していく働き方に労務作業が追い付いていないことが課題でした。

例えば、産休や育休の取得、社会保険の申請などすべての労務管理を紙ベースで行っていたそうです。

そのため作業時間がかかりすぎて、本来行うべき業務になかなか時間を割くことができないでいました。

しかしHRテックの導入によりオンライン上で作業を完結させられた分、大幅に作業効率がUPしています。

結果として本来注力したかった採用業務や新しい企画の立案など、これまで後回しにしていた生産性のある業務に時間がさけるようになっています。

3社目:株式会社千疋屋総本店

果物の販売やフルーツパーラー・レストランを運営している株式会社千疋屋総本店では離職率について課題を感じていました。

評価制度が十分に整っておらず、社員の退職につながっていたため、タレントマネジメントの導入に踏み切ります。

結果として公平性のある評価基準を設けることができ、社員の目標選定や課題の抽出などもスムーズになったそうです。このことが結果として社員のモチベーション向上にもつながっています。

4社目:福島トヨタ自動車株式会社

福島トヨタ自動車株式会社では、人事評価と入退職者の管理に時間がかかることを悩んでいました。

昇給対象をピックアップするだけでも時間がかかってしまい、課題を解消して効率よく作業を進めるためにHRテックの導入を行っています。

システムを導入したことで役職者がいつでも評価データを閲覧できるようになり、社員情報を一元管理することに成功しています。

結果として社員全員、ペーパーレス化への対応が可能になり、社員情報が1つになった名簿を作成することができました。

楽天ヴィッセル神戸株式会社

楽天ヴィッセル神戸株式会社はサッカーJ1リーグのクラブチームです。

これまで勤怠管理を各自で行っており、エクセルの入力も手作業で転記していたこともあり、人的ミスの発生で非常に効率の悪い労務体制となっていました。

システムを導入することで打刻管理を一括で管理することが可能になり、残業時間の正確な管理、勤怠締め日の工数削減などにつながっています。

また、行動ログを残せるようになったため数値分析などが可能となり、より明確に社員の勤務を把握できるように変化したという事例です。

まとめ

HRテックの導入は、人事領域の業務効率化だけではなく企業の成長や発展にもつながる重要な取り組みです。

社員の能力を正確に把握したり、思いもよらなかった人材の発掘に繋がったり、新しい人材との出会いを増やすことができたり、多くの利益が見込めます。

今回紹介した企業の成功事例も参考にしながら、正しいフローで導入を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

白木 めい

求人広告の営業を7年以上務めてきた経験を活かして、採用活動全般の記事が得意です。求職者目線、企業目線どちらも大切にしながら書いております。仕事依頼もお気軽にご相談ください(Chatwork ID:1gi31upx8lx3v)