何歳まで働き続けたいですか?社会とつながり続ける女性たち
コンテンツ
日本には働く女性はどれくらいいるのでしょうか。総務省の「労働力調査」によると、女性の労働人口は3,044万人で、労働力人口総数に占める女性の割合は44.3%です。
さらに女性の労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)について年齢階級(5歳階級)別にみると、ある変化が起きていることが明らかになりました。
出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)」
女性の年齢階級別労働力率の推移(平成元年〜30年)
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1192.html
総務省による「労働力調査」の結果をグラフ化すると、平成元年頃は「30〜34歳」で労働力率が低下しM字曲線を描いていました。それが平成30年には台形に近づいています。
ここからアラサー女性の働き方に変化が現れていることがわかります。そしてもう一つ注目すべきなのが「60〜64歳」の女性の労働力率は直近10年間で最も上昇率が高いことです。今回は年を重ねても働き続けている女性について詳しくみていきましょう。
参考資料:
厚生労働省「令和2年の働く女性の状況」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/20-01.pdf
人生100年時代へ、自分を活かせる仕事をしよう
日本は世界で1,2位を誇る平均寿命が長い国です。そして平均寿命とともに健康寿命という言葉を耳にする機会も増えてきました。
健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。厚生労働省が2021年に発表した健康寿命のデータによると、男性は72.68歳、女性は75.38歳でした。
平均寿命と健康寿命はともに年々伸びていることからも、今後は65歳という定年退職年齢も上がっていくと予想されています。
また、ずっと同じ職場で働き続けている女性に比べて、再就職など働く場所や働き方を変えている方が多いようです。身につけたスキルやコミュニケーション力など、それぞれの力を発揮できる仕事を選ぶと長く働き続けることができます。将来を見据えてきちんと計画を立て、今から行動しておくことがとても大切になってきます。
なぜ女性たちは働き続けるのか
年齢を重ねても働き続ける女性が増えているのは、大きく2つの理由が考えられます。
1.年金だけでは生活できない
2020年に厚生労働省が発表しているデータによると65歳から受け取れる平均年金額は国民年金が約5万円、厚生年金が約15万円です。
国民年金については男女間で金額にほとんど差がありませんが、厚生年金は男性の平均受給額が約17万円に対して、女性は約10万円です。5万円以上という、ここに大きな男女差が生まれています。
女性は働かなければ、毎月15万円程度で生活するということになります。もちろん貯蓄やその他の収入源がある場合もありますが、病気などのことも考えると働いている方が良いと考える女性が増えてきています。
年金に関して現時点では女性は男性と比べると働き方が変わることが多いため、受給額に大きな差があります。しかし今後は女性の雇用条件が改善されることで、男女間の年金受給額の差は小さくなってくるでしょう。
参考資料:
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf
2.社会とつながりを持ち続けて、認知症を予防
働くことはお金を稼ぐことの他に、人とつながりを持てるというメリットがあります。人間は元々社会的な生き物です。仕事を通していろんな人と会話をしたり、頭を使うことで認知症の予防にもなります。
また女性は男性よりも寿命が長いことから、将来的に一人暮らしになることも考えられます。一人だとどうしてもふさぎ込んでしまうことが多くなるので、パートナー以外にも自分の居場所を持っているのはとても良いことですね。
結び
社会状況が目まぐるしく変化する現代、女性の働き方も変化しています。女性はまず結婚や出産、子育てなどをする際に、どのような働き方をするかを選択します。
正社員として同じ職場で働き続ける方、退職して非正規社員として新たな場所で働く方。
働き方を変えるときは、さらに先の60歳や70歳になったときのことまで見据えるとよいかもしれません。
100歳まで生きる時代がすぐそこまで来ています。寿命が長くなると、生まれるのが時間です。その時間を何に使うのかを今から考えておきませんか。
生活に潤いがほしい方はきっと働く選択をする方が増えてくると思います。それは働くことで社会とつながり続けられるからです。
女性のみなさんがずっときらきら輝き続ける場所が増えていくことを願っています。
この記事を書いた人
松田加奈子
松田加奈子